長野県白馬村にある黒菱林道(約9km、標高差 760m)に行ってきました!
夏のグリーンシーズンは何度か走ったことがあるのですが、秋の紅葉シーズンは初めて。
どんな色彩模様と絶景が待ち受けているのか? 興味津々です・・・
白馬
  天界の絶景路 黒菱林道ってどんな道? 

黒菱林道は、八方の麓「和田野の森」から、スキー場のゲレンデを縫うように進み、標高1500m 林道終点にある「カフェテリア黒菱」まで行くことができます。
7月初旬から11月初旬(今年は7/1~10/31の期間)までの4ヶ月間に限って通行することができる、とてもレアな林道なのです。

昔は、その眺めの良さから「黒菱展望道路」と呼ばれていた時代がありましたが、道幅が狭く、対向車が来るとヒヤリとするカーブや、落石の恐れがある所、断崖絶壁やガードレールが無い所があることなどから、その後において「林道」であることが強調されています。

距離9km・標高差760mということなので、単純に割算すると平均勾配8.4%!
サイコン表示から見て取れる、また肌感覚的には、平均10%の道が延々続くって感じで、最大勾配が15%くらいかな?
激坂でヒーヒーと言うルートなのですが、景色は「チョ~」が付くほどの絶景の連続なのです。

道中では、雄大な山々が間近に迫り、絶景撮影スポットが点在する道。
北尾根高原を抜けると白馬連峰の山々が次々と現れ、そして、白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳の「白馬三山」が目の前に!と一気に高いところへきたことを実感できる、迫力満点な「絶景路」なのです。

朝方には雲海、そして四季折々(実走的には夏秋のみ)違った景色を見られるのも魅力的。
前述しましたが、狭幅・急峻・急カーブの林道なので、景色を楽しみながらゆっくり走行しましょう。
小生の場合は、しんどさから、風景写真を撮ることを口実に度々ペダルを外します。(笑)

マイカーだと、終点から黒菱第3ペアリフトに乗れば、グラートクワッドリフトに乗り継ぐことができるので、八方アルペンライン(ゴンドラリフト「アダム」・アルペンクワッドリフト・グラートクワッドリフトの乗り継ぎ)に比べ、かなり安く八方尾根にアプローチできます。
そんなことから、夏のシーズンは早朝のうちに駐車場が満車になることもあります。

【参考】黒菱林道のマップ等はこちらをご参照ください。
(どこかでお目にかかったことがある方がいらっしゃいますw)

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北尾根高原を過ぎてくると、正面にトッカーン!と白馬三山が見えてくる

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振り返ると登ってきた九十九折れの道が見える

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そして見上げると白馬三山!

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麓から、ずぅーっと激坂でヘロヘロだ~

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林道終点まで「もうちょっと!」の看板を過ぎると、断崖絶壁の先に白馬連峰の山並みが迎えてくれる

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雲が切れて、白馬三山がクッキリ
白いのは雪ではなく、崖錐斜面の白い砂礫と石が混ざったものです。

 せっかくだから八方池へ行ってみよう! 

黒菱林道の終点は「黒菱駐車場」(標高1500m)となっており、八方尾根に通じる黒菱平へと結ぶリフトの起点です。
この「黒菱第3ペアリフト」に乗り、その後の「グラートクワッドリフト」に乗り継いで八方尾根へ行けることから、黒菱林道とこれらのリフトを経由した八方池山荘までを総じて「黒菱スカイライン」と呼んでいるようです。

黒菱駐車場から「黒菱第3ペアリフト」を乗り継いで黒菱平へ行きたいところですが、あいにく今年は10月10日で営業終了。
なので、林道終点に自転車を置いて、黒菱平まで通じている車道(一般車通行止め)を登って行くことに。

そして、20分も登って行くと黒菱平(標高1680m)に到着。 黒菱平にある「雲海デッキ」からは、その名の通り、気象条件が揃うと早朝に白馬村下界を覆う広大な雲海が望めます。

また、眼前に迫る雄大な白馬三山は絶景で、様々な山景が楽しめます。
白馬では比較的高い確率で出会える雲海。下界はイマイチな天気でも、標高の高い所では雲が抜けている日もあるのであきらめないで!

加えて、黒菱平にある鎌池湿原は、多数の植物が生育していて植物散策の宝庫。
紅葉する中、周辺を散策できる木道もあるのでぜひ立ち寄っていただきたいスポットですね。

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ようやく黒菱平まで来たぞー

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フォトフレームから見る、長野オリンピック女子滑降スタート地点と白馬三山

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鎌池湿原の草紅葉も終わりですね

 手軽にアクセスできる国内最高レベルの絶景スポット 

白馬村の紅葉スポットの1つ「八方尾根」 例年、9月下旬から10月下旬頃に紅葉の見頃を迎えます。
でも、ちょっと遅かったようで落葉気味でした・・・
黒菱平からは、グラートクワッドリフト乗り継いで、いよいよ八方池を目指してトレッキング開始です。

リフトを降りてすぐ右手に八方池山荘(標高1830m)があり、その隣に公衆トイレもあります。
この先、第2ケルン手前にもトイレはありますが、念のため用を済ませておくのがおすすめです。

白馬連峰の唐松岳から四方八方に尾根が延びていることから名付けられたという「八方尾根」。
白馬三山を水面に映す八方池までのコースは、日本百名山の11峰が見渡せる絶景スポットが点在しており、この日は、遠く「富士山」も望めました。

景色を楽しみながらゆっくり歩いて、片道所要時間1:30程度のビギナー向けの山歩きでアクセスできます。
コース上は岩がゴロゴロした場所があるものの、きれいに整備されているので歩きやすく、大人から子供まで気軽に楽しめます。「本格的な登山は苦手」という方でも安心です!
でも、八方尾根の特殊な地質である蛇紋岩や木道は、湿っていると滑りやすいので、ビンディングシューズではなく、トレランシューズや登山靴は必須ですぞ。

登山道は大きく2つあり、右の直登ルートと、左の迂回ルートがあります。
右の直登ルートは、尾根づたいに真っ直ぐ登るため最短距離ですが、急傾斜で、ゴツゴツの岩場。
他方、左の迂回ルートは、少し遠回りにはなりますが、途中からは木道が整備されて歩きやすく、傾斜も比較的緩やかです。
両ルートで、見える景色はまったく違いますので、行に「直登ルート」で白馬三山を、帰りに「木道ルート」で五竜岳や鹿島槍ヶ岳などを望みながらと、行き帰りで違うルートを通るのがおすすめです。

圧倒的なスケールと感動のパノラマ展望台 黒菱林道を登ってきたならば、ぜひ行ってほしい絶景スポット「八方池」(標高2060m)です。
「ただし」が付きますが、天気が良くなければ行く価値は大幅に軽減されます。(笑)

八方池は尾根の中腹に水を湛えるちょっと不思議な池。
雪に押し出された土砂が堆積した場所に、雪解け水や雨水が溜まってできた池なのです。
水面に北アルプスの山々を映す神秘的なこの池は、観光ポスターにも使用される白馬村を代表する観光スポット。

そして、アメリカのニュース放送局CNNが発表した「日本の最も美しい場所31選」に選出された所です。
道中の尾根筋でもそうですが、八方池へ来ると視界を遮るものがないので、白馬三山・五竜岳はもちろん、妙高山・戸隠連峰・横手山・浅間山・八ヶ岳・富士山・南アルプスなどの名峰が見渡せます。

八方池の魅力はなんといっても、鏡のように景色を映し出す神秘的な姿。
風がない穏やかな日は、周囲を歩く登山客まではっきり映り込みます。
ですが、到着したら風が吹いてきて、白馬三山の水鏡はNG!
山の天候は動きが速いので諦めずに少し待ってみるものの、風は弱まることなく水鏡は見られず・・・。
ちなみに、午後は谷風の影響で雲が発生しやすく天気が急変することもあるので、ご注意ください。
そして、後ろ髪を引かれる思いで八方池を後に、360°の大パノラマを楽しみながら下ることに。

【参考】八方尾根のマップはこちらをご参照ください。

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行きの岩場ゴロゴロの右ルートは、白馬連峰が望める

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帰りの木道ルートから見る、五竜岳や鹿島槍ヶ岳も雄大でバツグンの眺望!

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雲海の先に、三角の形をした赤岳をはじめとした八ヶ岳、その右に富士山、その手前の台形が美ヶ原

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不帰ノ嶮(かえらずのけん)と天狗の頭 急峻な岩場地帯であることから「日本3大キレット」の一つとなっている

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八方池の桟橋?に腰掛けて、風が落ちるのをじっと待つ 結局、凪待ちで小一時間も粘ったのだが水鏡はみられず

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諦めて腰を上げ、上部にある第3ケルン(2,080m)へ向かう
池を見下ろすこの俯瞰は本当に素晴らしい ここが日本だとはとても思えない絶景です

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"天上の池" を見下ろすダイナミックな絶景! ここは東洋のサンモリッツか !?

第3ケルン(2,080m)でぐるりと360℃

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出鬼没、勝手、贅沢、気ままな、ヒルクライム&トレッキング旅 これにて終了~

以上、ご覧に頂いたように、黒菱林道は壮快かつ絶景の「日本が誇る山岳絶景林道」なのです。
そして足を延ばせば、更に美しい景色がきっと疲れた心や脳内を優しく包んでくれます。

自転車に乗っていると、人生を変えてしまうほど美しい景色に出会える瞬間があります。
これからは、燃えるような紅葉に包まれて楽しめる時季です。
っというわけで、またどこかへ行きたいな~♪