日本第2の高峰、北岳をはじめとして、仙丈ケ岳、間ノ岳、塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳など3000m級の山々を13座有する南アルプス。 日本列島の中央に位置し、山梨県、静岡県、長野県の3県にまたがり、言わずもがな、我が国を代表する山岳地帯です。
その南アルプスの下にリニア中央新幹線のトンネルが横切る。
既に山梨工区、長野工区でトンネル工事が始まっており、静岡工区についても、環境問題をはじめとして様々な課題があるものの、そろそろ本格的に工事が始まリそうな感じ。
静岡工区は県最深部の山の中。この近くに建つ山小屋、二軒小屋までは林道東俣線と呼ばれる一本道が大井川に沿って延々と続いている。
今後、通行が規制されたり、工事車両が往来したり、大井川に残土が置かれたりと、景観が損なわれることが予想される。 そんなことで、もしかしたら紅葉は今年が見納めかな?と訪れてみることに・・・
林道東俣線での最大のクライマックスは、この紅葉の赤石沢から先に望む冠雪した赤石岳です。
赤石岳を有する南アルプスは最近70年間の測量データによると、年間4mm以上の速さで隆起していて、この速さは日本では最速、世界でもトップレベルと言われています。
リニア中央新幹線の南アルプストンネルは、山梨、静岡、長野の3県を貫く全長約25kmで、最深部は地表から約1400m付近を掘削する前例のない難工事。
3工区のうち、着工していないのは静岡工区(静岡市葵区、8.9km)だけ。
JR東海はこれまでに着工時期などを明示していません・・・
環境影響評価準備書を見ると、静岡工区での資機材の搬出入ルートは林道東俣線のみ。
本坑、先進坑、斜坑(非常口)、水抜き坑、残土運搬トンネルなど様々な地中建造物が大井川や支流直下を交差し建設され非常に複雑です。
3つの坑口から360万㎥の土砂が排出され、登山のベースとなる「二軒小屋」周辺の大井川の河原に7ヶ所の残土置き場(実質は残土捨て場)と、700人余の作業員を収容する宿舎の建設が予定されている。
ちなみに、非常口が2ヶ所造られる予定だが、万が一、トンネル内事故や災害が発生した場合、何百人以上の乗客等が避難するルートとして本当に使うつもりだろうか?
真冬こんな山奥で、避難してトンネルから出てきたとしたら、どのように誘導するつもりなのか・・・
南アルプスはユネスコエコパークに登録され、南アルプス地域の林道管理に関する条例が制定された。
車両の通行規制を条例で定め、自然環境の保全と地域の発展の調和につなげるのが目的です。
東俣線は既に車両の通行が規制されていましたが、条例においては、林業・農業従事者、林道を生活道路として使う地域住民、登山・ハイキング・散策などレクリエーション目的で通るなどは通行可。
徒歩や軽車両もOK。 なので、自転車も大手を振って走ることが出来ます。
畑薙第一ダムにデポして、いよいよスタート!
青空快晴で、風もなく寒くもなく、小春日和のいいサイクリングになりそうです。
車で行けるのは、畑薙第一ダム堤体を越えて約1kmちょっと先の所にある管理棟の沼平ゲート手前まで。
管理棟の方に「二軒小屋まで行ってきま~す。」と言うと、「気をつけてぇ~」と声をかけてくれました。
ゲートを過ぎると道はダートへと変わり、延々30km近くのロングダートが始まります。
林道はしばらくの間はダム湖の水面に沿って進むため、路面は多少荒れているもののアップダウンもほどんどなく非常に快適!
畑薙第一ダム上流から走り出して最初のスポットは、長さ181mのスリル満点な畑薙大吊橋!
対岸まで往復してみましたが、結構揺れる!揺れる! アドベンチャー感がありありです!(^^)
以前に来たときは、人ひとりがやっと歩ける程の、もっと橋板が狭かったように記憶している。
調べてみると、2008年頃に、幅20cmの木板から幅約55cm程度の穴あき鋼板に変更されたようです。
アップダウンのダートを繰り返しながら、二軒小屋まで徐々に勾配をかせいで行きます。
奥地に入ってくると、紅葉がちょうど見頃。 途中で、毎年訪れているというご年配ご夫婦のハイカーにお聞きしたところ、今年は平年よりも2週間も見頃が遅いそうです。
「赤崩」が見えてきました。
急速な隆起に耐え切れず、山自体の重みを地盤が支えきれない状態で、これに大雨や地震が引き金になって「大規模崩壊地」が発生します。
赤崩は、畑薙湖を埋めていく土砂供給源でもあるのです。
中ノ宿吊橋に到着。
先ほどの畑薙大吊橋よりもやや短いけれど、ここも足元がスカスカなのでおっかなびっくりで渡る。
高所恐怖症の人はゼッタイにNGですね~
遠くからだんだんとヘリの音が大きくなってくる。 工事資機材を運搬しているようです。
と思ったら、こちらに近づいてきて迫力満点! 回転翼からの下方向の強い風が凄かったぁ~
先ほどまで真横にあった川は、気がつくとはるか谷底へ落ち込んでいる。
日の光も当たらない深い谷底にそって、林道は延々と奥に続きます。
赤石ダムが現れてきました。大井川ではなく支流の赤石沢をせき止めたもの。
正面に見えるのが日本最南端にある3000m級の山である聖岳かと思ったけれど、上河内岳だった。
(この先、聖岳がどこから見えるのか分からなかった・・・)
正面より堤体を眺めると、特徴的な赤色のラジアルゲートが2門。
そして、その両脇にコンジットゲートがあります。
ダム堤体をグルッと回るように坂を上っていくと赤石トンネルへと。
トンネルの額縁の先に、綺麗に紅葉した絵画が描かれているよう。
ダム湖は神秘的な色の水をたたえている。
人の気配はまるでなく、静まり返った林道をひたすらペダルをこぎ続ける。
そして、牛首峠から綺麗に紅葉した赤石沢の向こうに、冠雪した赤石岳が見えてきました!
牛首峠の名の由来は、上空から観て鳥森山を「牛」の頭にたとえ、赤石尾根と繋がっている細い部分を「首」になぞらえたものです。
赤石岳は標高3120m、日本で7番目に高い山です。
三方に尾根を張り出したどっしりとした山容で、山名は、赤石沢に多い赤色チャート岩盤に由来し、明治以降に称されるようになったとされています。
赤石岳の頂には、国内で最高地点の一等三角点が設置されているのです。 富士山でも北岳でもなく赤石岳なのです。 それは、一等三角点が山の高さを測量するためではなく、あくまでも地図作成と今後の測量を目的としたからなのです。
椹島(さわらじま)ロッジへと寄ってみる。 出発地点の沼平ゲートと二軒小屋ロッジとのほぼ中間地点になります。 山は落葉気味ですが、植えられているドウダンツツジは真っ赤ですね。
川沿いの開放的な草原に山小屋や売店が立ち並ぶさわやかな場所。こんな場所で宿泊したいものですね。
急峻な山々の間を蛇行し流れる大井川。人の手の入らない太古のままの姿を残す美しい河川、と書きたくなるものの実際のところ流れの大部分は人工的に管理されています。
伐採、植林事業をはじめ江戸時代には既に人の手が入っていた大井川源流域。
明治時になるとその豊富な水量が注目を集め急峻な傾斜を利用する水力発電所が次々に建設されました。
本流、支流問わず至る所で川が塞き止められ、水は山中を走る導水トンネルへ吸い込まれていく。
林道脇や森の中に現れる倒木や滝。美しい光景に思わずペダルを回すのを止め見入ってしまう。
そんなわけで一向に進まず設定したコースタイムはすでに大きくオーバー! (^^;;
苔生した石の間を湧き水が流れ落ちる。
所々にいろんな滝や沢があって、夏でも清涼感たっぷりで気持ちよく走れるいいルート!
しばらく進んで行くと、リニア南アルプストンネルやそれに伴う斜坑などから排出される残土置き場の候補とされる場所が連続して現れる。
林道沿いは広葉樹から、カラマツやシラビソの針葉樹の林へと。
一直線の気持ちいい高速フラットダートで気持ちいいぞー
大井川起点とありますが、一級河川としての起点がここで、実際には、まだ8km先の上流となります。
畑薙第一ダム先の沼平ゲートから始まった30km近くにおよぶダートの林道東俣線走も最終地。
リニア南アルプストンネルが通過するルートは、ここからさらに北上した西俣と言われる奥地。
この滝から第二幕が始まるぞ!と思ったら行く手は工事通行止めと書かれた看板があった。
リニアトンネルの為の準備工事だろうか?
田代ダムを見過ごして先に行こうと思ったけれど、重機が作業転回していて危険なので折り返すことに。
田代ダム導流部の終点にある滝(?)。右手に上方に導流部が続き、さらにその奥に堤体がある。
この滝の上には取水用の堤体がある。ちなみに、この滝は山を削って造ったとのこと。
田代ダムは、本来大井川として流れるはずの川の水を隣の山梨県へ大量に運び、発電後、別の川へと放出している。この水の権利を巡りかつて大いにもめた
昭和初期のダム建設からの紆余曲折を経て水量の一部は大井川へと返還される事となった。
目の前で豪快に流れ落ちるこの滝も、かつてここまでの水量はなかったのではないだろうか。
ランチタイムへと二軒小屋へとお邪魔します。
山中に突然現れる桃源郷のような心地よい良い空間。 白樺の木の下、通り抜ける風が心地よい。
小屋の方にお断りして、庭に置かれたベンチでレッツクッキング!
本日の山めしは、きのこクリームパスタと、ポークチリビーンズ!
直ぐに調理できるように事前に仕込んできました。 南アルプスの奥地でこんなオシャレなランチメニュー。
自画自賛だが、ミシュランガイドの店以上の環境と味に大満足! うまうま~ (^^)v
食後は、周りの風景を堪能しながらのコーヒータイム。 これまた落ち着いた時空間を過ごしました・・・
かつて急峻な山塊を有していた南アルプスの山々は、風化によって削り取られ地質的にはすでに老年期へとさしかかかっている。高さでは引けを取らないものの北アルプスに比べ、どうも地味なのはアクセスの不便さと共に、岩稜が続くいかにもアルプス!といった迫力に欠けているのが理由なのかな?と、コーヒーを飲みながら想像してしまいました。
そろそろ、静まり返る二軒小屋ロッジを後にして、来た道を戻るとしますかね・・・
復路の紅葉も、傾いてきた太陽に照らせれて更に色濃くなっていました。
日本第2の高峰、北岳を有する南アルプスとは言え、多くの登山者等が訪れ華やかな北アルプスと比べいささか地味な存在ですが、捨てたもんじゃないです。
そして、林道東俣野線は秘境感がハンパないです!
リニア中央新幹線のトンネル着工がまだ先のようならば、来年ワンチャンありかな?
その南アルプスの下にリニア中央新幹線のトンネルが横切る。
既に山梨工区、長野工区でトンネル工事が始まっており、静岡工区についても、環境問題をはじめとして様々な課題があるものの、そろそろ本格的に工事が始まリそうな感じ。
静岡工区は県最深部の山の中。この近くに建つ山小屋、二軒小屋までは林道東俣線と呼ばれる一本道が大井川に沿って延々と続いている。
今後、通行が規制されたり、工事車両が往来したり、大井川に残土が置かれたりと、景観が損なわれることが予想される。 そんなことで、もしかしたら紅葉は今年が見納めかな?と訪れてみることに・・・
林道東俣線での最大のクライマックスは、この紅葉の赤石沢から先に望む冠雪した赤石岳です。
赤石岳を有する南アルプスは最近70年間の測量データによると、年間4mm以上の速さで隆起していて、この速さは日本では最速、世界でもトップレベルと言われています。
リニア中央新幹線の南アルプストンネルは、山梨、静岡、長野の3県を貫く全長約25kmで、最深部は地表から約1400m付近を掘削する前例のない難工事。
3工区のうち、着工していないのは静岡工区(静岡市葵区、8.9km)だけ。
JR東海はこれまでに着工時期などを明示していません・・・
環境影響評価準備書を見ると、静岡工区での資機材の搬出入ルートは林道東俣線のみ。
本坑、先進坑、斜坑(非常口)、水抜き坑、残土運搬トンネルなど様々な地中建造物が大井川や支流直下を交差し建設され非常に複雑です。
3つの坑口から360万㎥の土砂が排出され、登山のベースとなる「二軒小屋」周辺の大井川の河原に7ヶ所の残土置き場(実質は残土捨て場)と、700人余の作業員を収容する宿舎の建設が予定されている。
ちなみに、非常口が2ヶ所造られる予定だが、万が一、トンネル内事故や災害が発生した場合、何百人以上の乗客等が避難するルートとして本当に使うつもりだろうか?
真冬こんな山奥で、避難してトンネルから出てきたとしたら、どのように誘導するつもりなのか・・・
南アルプスはユネスコエコパークに登録され、南アルプス地域の林道管理に関する条例が制定された。
車両の通行規制を条例で定め、自然環境の保全と地域の発展の調和につなげるのが目的です。
東俣線は既に車両の通行が規制されていましたが、条例においては、林業・農業従事者、林道を生活道路として使う地域住民、登山・ハイキング・散策などレクリエーション目的で通るなどは通行可。
徒歩や軽車両もOK。 なので、自転車も大手を振って走ることが出来ます。
畑薙第一ダムにデポして、いよいよスタート!
青空快晴で、風もなく寒くもなく、小春日和のいいサイクリングになりそうです。
車で行けるのは、畑薙第一ダム堤体を越えて約1kmちょっと先の所にある管理棟の沼平ゲート手前まで。
管理棟の方に「二軒小屋まで行ってきま~す。」と言うと、「気をつけてぇ~」と声をかけてくれました。
ゲートを過ぎると道はダートへと変わり、延々30km近くのロングダートが始まります。
林道はしばらくの間はダム湖の水面に沿って進むため、路面は多少荒れているもののアップダウンもほどんどなく非常に快適!
畑薙第一ダム上流から走り出して最初のスポットは、長さ181mのスリル満点な畑薙大吊橋!
対岸まで往復してみましたが、結構揺れる!揺れる! アドベンチャー感がありありです!(^^)
以前に来たときは、人ひとりがやっと歩ける程の、もっと橋板が狭かったように記憶している。
調べてみると、2008年頃に、幅20cmの木板から幅約55cm程度の穴あき鋼板に変更されたようです。
アップダウンのダートを繰り返しながら、二軒小屋まで徐々に勾配をかせいで行きます。
奥地に入ってくると、紅葉がちょうど見頃。 途中で、毎年訪れているというご年配ご夫婦のハイカーにお聞きしたところ、今年は平年よりも2週間も見頃が遅いそうです。
「赤崩」が見えてきました。
急速な隆起に耐え切れず、山自体の重みを地盤が支えきれない状態で、これに大雨や地震が引き金になって「大規模崩壊地」が発生します。
赤崩は、畑薙湖を埋めていく土砂供給源でもあるのです。
中ノ宿吊橋に到着。
先ほどの畑薙大吊橋よりもやや短いけれど、ここも足元がスカスカなのでおっかなびっくりで渡る。
高所恐怖症の人はゼッタイにNGですね~
遠くからだんだんとヘリの音が大きくなってくる。 工事資機材を運搬しているようです。
と思ったら、こちらに近づいてきて迫力満点! 回転翼からの下方向の強い風が凄かったぁ~
先ほどまで真横にあった川は、気がつくとはるか谷底へ落ち込んでいる。
日の光も当たらない深い谷底にそって、林道は延々と奥に続きます。
赤石ダムが現れてきました。大井川ではなく支流の赤石沢をせき止めたもの。
正面に見えるのが日本最南端にある3000m級の山である聖岳かと思ったけれど、上河内岳だった。
(この先、聖岳がどこから見えるのか分からなかった・・・)
正面より堤体を眺めると、特徴的な赤色のラジアルゲートが2門。
そして、その両脇にコンジットゲートがあります。
ダム堤体をグルッと回るように坂を上っていくと赤石トンネルへと。
トンネルの額縁の先に、綺麗に紅葉した絵画が描かれているよう。
ダム湖は神秘的な色の水をたたえている。
人の気配はまるでなく、静まり返った林道をひたすらペダルをこぎ続ける。
そして、牛首峠から綺麗に紅葉した赤石沢の向こうに、冠雪した赤石岳が見えてきました!
牛首峠の名の由来は、上空から観て鳥森山を「牛」の頭にたとえ、赤石尾根と繋がっている細い部分を「首」になぞらえたものです。
赤石岳は標高3120m、日本で7番目に高い山です。
三方に尾根を張り出したどっしりとした山容で、山名は、赤石沢に多い赤色チャート岩盤に由来し、明治以降に称されるようになったとされています。
赤石岳の頂には、国内で最高地点の一等三角点が設置されているのです。 富士山でも北岳でもなく赤石岳なのです。 それは、一等三角点が山の高さを測量するためではなく、あくまでも地図作成と今後の測量を目的としたからなのです。
椹島(さわらじま)ロッジへと寄ってみる。 出発地点の沼平ゲートと二軒小屋ロッジとのほぼ中間地点になります。 山は落葉気味ですが、植えられているドウダンツツジは真っ赤ですね。
川沿いの開放的な草原に山小屋や売店が立ち並ぶさわやかな場所。こんな場所で宿泊したいものですね。
急峻な山々の間を蛇行し流れる大井川。人の手の入らない太古のままの姿を残す美しい河川、と書きたくなるものの実際のところ流れの大部分は人工的に管理されています。
伐採、植林事業をはじめ江戸時代には既に人の手が入っていた大井川源流域。
明治時になるとその豊富な水量が注目を集め急峻な傾斜を利用する水力発電所が次々に建設されました。
本流、支流問わず至る所で川が塞き止められ、水は山中を走る導水トンネルへ吸い込まれていく。
林道脇や森の中に現れる倒木や滝。美しい光景に思わずペダルを回すのを止め見入ってしまう。
そんなわけで一向に進まず設定したコースタイムはすでに大きくオーバー! (^^;;
苔生した石の間を湧き水が流れ落ちる。
所々にいろんな滝や沢があって、夏でも清涼感たっぷりで気持ちよく走れるいいルート!
しばらく進んで行くと、リニア南アルプストンネルやそれに伴う斜坑などから排出される残土置き場の候補とされる場所が連続して現れる。
林道沿いは広葉樹から、カラマツやシラビソの針葉樹の林へと。
一直線の気持ちいい高速フラットダートで気持ちいいぞー
大井川起点とありますが、一級河川としての起点がここで、実際には、まだ8km先の上流となります。
畑薙第一ダム先の沼平ゲートから始まった30km近くにおよぶダートの林道東俣線走も最終地。
リニア南アルプストンネルが通過するルートは、ここからさらに北上した西俣と言われる奥地。
この滝から第二幕が始まるぞ!と思ったら行く手は工事通行止めと書かれた看板があった。
リニアトンネルの為の準備工事だろうか?
田代ダムを見過ごして先に行こうと思ったけれど、重機が作業転回していて危険なので折り返すことに。
田代ダム導流部の終点にある滝(?)。右手に上方に導流部が続き、さらにその奥に堤体がある。
この滝の上には取水用の堤体がある。ちなみに、この滝は山を削って造ったとのこと。
田代ダムは、本来大井川として流れるはずの川の水を隣の山梨県へ大量に運び、発電後、別の川へと放出している。この水の権利を巡りかつて大いにもめた
昭和初期のダム建設からの紆余曲折を経て水量の一部は大井川へと返還される事となった。
目の前で豪快に流れ落ちるこの滝も、かつてここまでの水量はなかったのではないだろうか。
ランチタイムへと二軒小屋へとお邪魔します。
山中に突然現れる桃源郷のような心地よい良い空間。 白樺の木の下、通り抜ける風が心地よい。
小屋の方にお断りして、庭に置かれたベンチでレッツクッキング!
本日の山めしは、きのこクリームパスタと、ポークチリビーンズ!
直ぐに調理できるように事前に仕込んできました。 南アルプスの奥地でこんなオシャレなランチメニュー。
自画自賛だが、ミシュランガイドの店以上の環境と味に大満足! うまうま~ (^^)v
食後は、周りの風景を堪能しながらのコーヒータイム。 これまた落ち着いた時空間を過ごしました・・・
かつて急峻な山塊を有していた南アルプスの山々は、風化によって削り取られ地質的にはすでに老年期へとさしかかかっている。高さでは引けを取らないものの北アルプスに比べ、どうも地味なのはアクセスの不便さと共に、岩稜が続くいかにもアルプス!といった迫力に欠けているのが理由なのかな?と、コーヒーを飲みながら想像してしまいました。
そろそろ、静まり返る二軒小屋ロッジを後にして、来た道を戻るとしますかね・・・
復路の紅葉も、傾いてきた太陽に照らせれて更に色濃くなっていました。
日本第2の高峰、北岳を有する南アルプスとは言え、多くの登山者等が訪れ華やかな北アルプスと比べいささか地味な存在ですが、捨てたもんじゃないです。
そして、林道東俣野線は秘境感がハンパないです!
リニア中央新幹線のトンネル着工がまだ先のようならば、来年ワンチャンありかな?