梅雨の貴重な晴れの週末、絶景道路である美ヶ原高原道路&ビーラスラインを走ってきました!
ビーナスラインの旬と言えば誰もが知っているニッコウキスゲの咲く7月。
そのビーナスラインのニッコウキスゲですが、鹿による食害により、かつては車山高原から霧ヶ峰高原一帯に広く群生していたニッコウキスゲも、スカスカ状態に。
数年前に電気柵を設置したものの、以前の様な群生に戻るには、まだまだ程遠い・・・
美ヶ原高原・VL
今年はビーナスラインどうしようかなぁーと思っていたところ、レンゲツツジの花つきが例年になく多くて当たり年とか。しかも、一週間から10日位開花が早まって、この週末が見頃と言うじゃないですか!
こりゃー千載一遇?のチャンス!走りに行くっきゃないでしょう~ (^^)v 
ビーナスラインだけじゃ勿体ないので、美ヶ原高原道路もオプションに付けてみることに。
さてさて、ルートはどうしようか? 
松本から南下では、始発に乗っても松本駅着はいい時間になる。
茅野から北上するとなると、後半の疲れてきたところで、美ヶ原のテレビアンテナ群と、そこに至る道のガードレールが天高く見えて心が折れるしと・・・
そんなことで、北陸新幹線で上田駅から南下する、こんなルートを設定してみました。

美ヶ原高原・VL-001
上田駅からの走り出しは、国道とか交通量が多い路線となりますが、県道62号線に入ると、交通量も少なくなり、牧歌的な雰囲気の中をストレス無く走れて気分爽快!
左の遠くには、こんもりした蓼科山が見えますねー

美ヶ原高原・VL-002
武石の田園風景や牧場を抜けてくると、いよいよ勾配もきつくなってくる。
今回のルートは獲得標高が3,000m近くなるので、前半から抑え気味でマッタリと上ることに。
沿道に沿って流れる武石川の上流には巣栗渓谷があって、蒸し暑さもなく、逆に肌寒いくらい・・・
ツールド美ヶ原高原の道路規制看板がチラホラと置かれていますね。
この先の美ヶ原スカイラインと高原道路が、6/28(日)に通行止めとなります。

美ヶ原高原・VL-003
そして武石峠(1,830m)へ到着! 松本と東信の間の峠の中では最も標高が高い峠です。
もともと林道(有料)だからか、ここでの展望ポイントは用意されていないのだ。
もっとも、鞍部から先からの道の展望が最高なので、これでいいのかもしれないですね。

美ヶ原高原・VL-004
武石峠から美ヶ原高原道路となり、美ヶ原自然保護センターまでの間が素晴らしい絶景を楽しめる。
さてさて、久しぶりの美ヶ原高原道路、どんな感じかな?

美ヶ原高原・VL-005
予想通り、晴れているものの雲が厚くて中央アルプスや北アルプスが見えないですねー。ザンネン!
まあ、今日はレンゲツツジがメインと割り切ってきたので、あまり意気消沈はしなかったけれどね。

美ヶ原高原・VL-006
美ヶ原高原道路は、武石峠・美ヶ原スカイライン終点より美ヶ原自然保護センターに至る、延長約5kmの県道62号美ヶ原公園沖線の通称なのです。
単なる美ヶ原自然保護センターまでのアクセス道路ではなく、独特の景観を持つ絶景道路です。

美ヶ原高原・VL-007
道中には、レンゲツツジの群生地や大パノラマが広がる展望台などの見所もある。
ここまで来ると、いままで遭遇しなかったローディーと頻繁にすれちがう。
ツールド美ヶ原高原に向けてのヒルクラ練習のようですね。 そんな皆さん、速そうでしたよ・・・

美ヶ原高原・VL-008
後半は、高原牧草地の合間を走り抜ける快走路となり、これがまた気持ちいいぞぉー!

美ヶ原高原・VL-009
アルプスは望めないが、松本盆地を眺望するする絶景ルート!途中の思い出の丘からの景色は絶品!
そして、美ヶ原牧場の中を抜ける道はまるで箱庭の中を走っているかのような錯覚を覚える。
ここから北アルプスに沈む夕日をいつか見たいと思っているのだが、実現するのはいつの日や?

美ヶ原高原・VL-010
行く手の先には、これから行く最高地点、王ヶ頭(2,034m)にあるテレビアンテナ群が見えますねー

美ヶ原高原・VL-011
武石峰を過ぎて美ヶ原自然保護センターに至る沿道は、レンゲツツジで美しく朱色に染まっています。
ちょうど満開で、道路の両側に咲き乱れ、多くの花見客やカメラマンが訪れていました・・・

map
美ヶ原は、広大な高原の景勝地、意外と知られていませんが、日本百名山でもあるのです。
標高2,000mの高原台地で、付近に高い山がなく、360度の大パノラマが楽しめる。
「美ヶ原」という名称は、近年に観光のために付けられたのではなく、江戸初期に既に「うつくしが原」と呼ばれていたようです。
美ヶ原自然保護センターから先、ビーナスラインに合流する山本小屋までは、自転車を含めて車両は許可車以外は通行不可なので、しばし、押しがけのハイキング!

美ヶ原高原・VL-012
クリートシューズでは歩くのがしんどいので、ティンバーランドのパッカブルシューズに履き替えです。
二つ折りにして、サイドのジッパーを閉めることで簡単にコンパクトになる画期的なシューズ。
コンパクトに持ち運べるという利点から、旅先でのセカンドシューズとしてオススメですよ!

美ヶ原高原・VL-013
美ヶ原の最高地点である王ヶ頭のテレビアンテナ群を過ぎると、美ヶ原の広い高原台地に向かって、柵で仕切られた道を下っていきます。
目の前に広がる美ヶ原高原の広々とした開放感がたまらんぞ!

美ヶ原高原・VL-014
左右の柵の外は牧場になっていて、初夏から初秋までは放牧されている牛を間近に見ることができますよ。
いゃー、気持ちいいねー (^^)

美ヶ原高原・VL-015
サドルバックに縛り付けたクリートシューズが笑えますね・・・ (^^;;
しばらく下ると、後は平坦な道になり、道端に咲く高山植物も、目を楽しませてくれる。
まれに牧場管理の軽トラや許可を受けたマイクロバスが通り抜けていきます。

美ヶ原高原・VL-016
そして、ルートの2/3程に来ると、高さ10mくらいの小さな塔、美しの塔があります。
美しの塔は、高原が霧に覆われた時に、鐘で位置を知らせるのと雨宿りなどの避難用に建てられました。
カラ~ン♪ コロ~ン♪ 記念に鐘を鳴らしてみました。
塔には、美ヶ原高原に登山した時のことを「登りついて不意に開けた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたかと思う・・・」と表現した尾崎喜八の名文が刻まれています。
ここに来ると、そんな気持ちが分かるような気がしますね・・・

美ヶ原高原・VL-017
国内では最も高い地点にあると言われる牧場。
遠くには八ヶ岳も薄っすらと見えて、気持ちが落ち着くいい景色です!
2,000mの美ヶ原の高原台地の上は、草原を利用し平安の昔から放牧が行なわれてきました。
現在では、東京ドーム21個分という広大な牧場に、夏の季節にホルスタインを主体に牛約500頭が放牧さているのです。

美ヶ原高原・VL-018
ようやく終点部の山本小屋に到着!
ここではお約束のコケモモのソフトクリームだね。 ほんのり甘酸っぱい味のソフトです。
山本小屋の周りは景色が開けていて清々しい~
そして、シューズを履き替えて、いよいよビーナスラインを走りますよ~

美ヶ原高原・VL-019
美ヶ原~和田峠の間にある三峰展望台。先ほどまでいた美ヶ原のテレビアンテナ群が遠くに見えますねー
ここはアルプスや富士山などが望める絶景地なのですが、更に雲が厚くなってきて、う~んイマイチ・・・

美ヶ原高原・VL-020
八島湿原先の通称レーダーストレートのあたり。 レンゲツツジの群生が綺麗ですねー
ここで写真を撮っていると、キジの鳴き声が響き渡っていました。
キジの鳴き声というと、字ではよく「ケーン ケーン」って表記になりますが、実際聞いてみるとちょっと違うよね?
近づいてみると、カメラを構えても逃げることなく綺麗なオスが数羽。 
繁殖期なので、鳴き声や体の色がキレイだよね♪

美ヶ原高原・VL-022
確かに今年のビーナスラインのレンゲツツジは、花つきが素晴らしく圧倒されます。
青空ならば、いいコントラストでいい景色なのになぁー ザンネ~ン・・・
後は、淡々と写真をアップするだけとしますね。

美ヶ原高原・VL-023
霧ヶ峰一帯も燃えています!

美ヶ原高原・VL-024
車山肩からの景色もイイねー (^^)v

美ヶ原高原・VL-025
緑の草原と朱色のレンゲツツジがいい感じ。

美ヶ原高原・VL-026
S字カーブのあたりも咲き誇っていますねー

美ヶ原高原・VL-027
といった感じで、ビーナスラインの標高1,600~1,700m付近のレンゲツツジは今年は当たり年です!
チョッと雲が厚く多くて、周りの眺望はパッとしない生憎の絶景道路でしたが、レンゲツツジを見ながらの快走は、この季節でしか見ることのできないコントラストを楽しめました🎵
この後は、スズラン峠を越えて茅野駅から電車の人へと・・・

美ヶ原高原・VL
《最後にうんちく》
レンゲツツジの漢字を「蓮華躑躅」と書くって知ってますか?
躑躅(ツツジ)の字の意味は、「足踏みをする、足摺りする」と言う意味なのです。
ツツジという植物でありながら草冠でなく、なんで足偏なのか?
レンゲツツジの別名は、「羊躑躅(ヨウテキチョク)」ともいい、羊が食べると毒にあたって足踏みして動かなくなるという様子からきています。
中国では毒性のあるツツジが多く、羊が誤って食べて、足踏みして死に至ることがあるそうです。
こんなことで、中国ではツツジの漢字に躑躅を当て、日本へもその字の躑躅が入って、ツツジと読むようになったと言われています・・・

 《本日の自転車川柳》 
激坂も 過ぎてしまえば 心地よし (坂バカ)