「とびしま海道」は、瀬戸内海の西部に位置する安芸灘諸島の7島と本州を7つの橋で結ぶルート。
別名「安芸灘オレンジライン」とか、「裏しまなみ」とか呼ばれることもあります。
橋から島に渡ると、ほとんどの道路が海岸沿いを通り、海を間近に感じながら走れるのが魅力ですね!
平たんな道が多く、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
とびしま海道
豊島と大崎下島を結ぶ「豊浜大橋」
三径間連続トラス橋で、高欄には広島県の県鳥である「あび」のレリーフが飾られ、青い海と空にマッチした橋、とびしま海道の橋の中で個人的には一番好きな橋かな?
来島海峡大橋
さてさて、宿を出発して来島海峡大橋へと戻りましょう!
馬島にいるからこそ見ることができる裏・来島海峡大橋!
こんな角度から見上げることができるポイントはこの馬島からだけじゃないかな?
人それぞれ好みがあるとは思いますが、来島海峡大橋がしまなみ海道の中では最も雄大で美しい橋と思います。

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吊橋のケーブルを固定する巨大な重り「アンカレイジ」に併設されたエレベーターに、自転車ごと乗り橋面へと上がっていきますよ。

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エレベーターはスケルトンになっていて、来島海峡を臨みながら上昇!
原付は4階へ上がって南側の通行帯へ、自転車・歩行者は3階で降りて、車道の橋桁の下を横断して北側の通行帯へと上がります。

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橋から眺める景色が素晴らしい!
吹く風がとても気持ちイイねー
大小さまざまな島が浮かぶ瀬戸内海、日本三大急潮といわれる来島海峡の潮の流れを橋の上から堪能できる最高の空中ポタリングコースだね!

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来島海峡大橋は、しまなみ海道の中で一番長い橋、3連の吊橋で長さがなんと約4kmもあります。
しまなみ海道の中では、メインイベントとなる橋と言ってもいいでしょう!
一気に走りきってしまうのはもったいないので、途中で何度も止めてその景色に見入ってしまいます。

ループ橋
さてさて、来島海峡大橋から分岐して、ループ橋を下って四国本土へと上陸!
今治市街地へと、そして今治港へと向かいますよー。

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よくぞサイクリストのために、この大橋を渡れるように計画してくれてました!と言いたくなるくらい。
後ろ髪を引かれる思いで、来島海峡大橋を後に・・・

とびしま海道-007
8時25分発のフェリーに乗船、 岡村島まで約1時間の船旅となります。
前回は岡村島へは、輪行して高速船で行ったけど、今回はフェリー。
フェリーと言っても、とても小さな船体で、客室もかなり狭小スペースですね。

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船内で朝食をとりながらでの束の間の船の人に・・・

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ついさっき、走ってきた来島海峡大橋を通過~ 真下に来るとさすがにド迫力!
向かい側には、馬島、そして泊まっていた宿も見えますね~

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そうこうしているうちに岡村島へ到着!
岡村島は愛媛県今治市を住所とするが、とびしま海道によって本州の広島県と陸路・橋で繋がっています。
さぁーて、安芸灘の美しい島々を巡る「とびしま海道」のスタートだぁ!

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愛媛県と広島県との県境が橋の中央を通っている岡村大橋。
橋の下は戸町瀬戸と呼ばれる潮流が流れています。
岡村島からこの先に向かう大崎下島の間には、2つの無人島を経由する3つの橋で繋がっているのです。

とびしま海道-012
このあたりの島々は、みかんの産地でも知られています。
瀬戸内の温暖な気候と潮風に育まれ、段々畑に降り注ぐ太陽光を浴びた芳潤な甘さのみかん生産が盛んなのです。
大長みかんやイヨカン、ネーブル、デコポン、レモンなど各種が美味しく育つようです。

海沿いの道を走っていると、青果屋さんの作業場倉庫・直売所を発見!
フレッシュジュースのスタンドが目に入って、一度通り過ぎたけど、Uターンして立ち寄ることに・・・  
コップ一杯100円也!

お母さんに、どちらの方がオススメかとお聞きしたところ、
「無添加の100%の生しぼりジュースなので、どっちも美味しいよ~」、「イヨカンの方が甘いかな、ネーブルの方がやや渋味があるね~」とのこと。
奥にいらした近所のオジさん曰くは、「俺は、ネーブルの方が好きだなー」とか。 
ん~、どちらにするか悩むね~
100円でお安いので、両方を頂くことにしました!(^^)v

さてさて、最初はイヨカンからいってみます! 混ざり物がまったく無しで甘くて美味しい~♪
続いてネーブルいきます! おぉー 甘みの中に酸味が広がりサッパリ感!♪
いやいや、どちらも美味しいですわ!w

とびしま海道-013
そして、江戸時代に風待ち・潮待ちの港町として栄えた「御手洗」へと、前回に続いてまたやって来ました。
御手洗は、江戸時代から昭和初期に至るまで、瀬戸内海交通の中継港として、時代に応じた発展を遂げてきました。当時の港町に必要であった建築物が点在していたりと、風待ち、潮待ちの港町として栄えた頃の名残があります。
また、御手洗は、「サイクリストの聖地」にふさわしく、明治時代に日本人初の自転車世界一周を達成した「中村春吉」の生誕地でもあるのです。

とびしま海道-014
かつて多くの遊女をかかえるお茶屋であった若胡子屋(わかえびすや)が、現在は資料館のようになっていて、その中に春吉に関する資料が掲示されていた。(以前には、このような資料は無かったです・・・)

春吉は海外貿易の状況を視察するため、1902年に自転車で世界一周に向けスタートし、中国、東南アジア、インド、ヨーロッパ、アメリカなどを1年半かけて回ったとか。
自転車は、アメリカのランプレー製のもので、写真を見るとシングルギアだね。
フロントバック、フレームバック、サドルバックと、今とあまり変わらないですね。
旅先でのいろんな逸話なんかもあったりして、読んでてなかなか興味深いです。。。

とびしま海道-015
まるで映画のセットのような街並みで、現在も、江戸後期から昭和初期の建物が残っています。
土地が狭いため数度にわたって埋め立てられ、大小の商家、茶屋、船宿、住宅、神社、寺院等が混在し、路地が網の目のように巡っているのも特徴ですね。

とびしま海道-016
御手洗の街並みには、江戸期、明治期の漆喰の家並みの中に、パステルカラーの洋館が目立ちます。
この洋館風の散髪屋さん、現在でもちゃんと営業してますよ。。。

とびしま海道-017
下見板張りの洋館建築、屋根の形状は、瀬戸内でよく見られる、ギャンブレル屋根ですね。
看板は、内科・小児科・越智医院 ・レントゲン科と書かれています。
玄関口の意匠も和洋折衷の細かな細工が施されていますね。

とびしま海道-018
海に突き出た千砂子波止(ちさごはと)は、江戸時代からの防波堤です。
先端には、高灯籠に似せた灯台が設置されていて、御手洗のシンボル的風景を形作っている。

とびしま海道-020
この後は、マッタリと海岸線を走り、いくつかの橋を渡りながら、本州へと向かいます。
その途中、大崎下島の架橋記念公園内にある日本一のジャングルジム。
豊浜大橋の架橋を記念して造られた運動公園にある、高さ13m、幅15mのジャングルジム、工事用足場かと思うくらい大きい!
オイオイ! 安全帯を付けないと労基署に怒られるぞ!w

とびしま海道
とびしま海道は、しまなみ海道とは違う魅力があり、のどかというか素朴で牧歌的な雰囲気が好きですね。
最後の安芸灘大橋を渡り、本州本土へ上陸!

とびしま海道-022
その後、帝国海軍の拠点でもあった呉市内をポタポタ。
呉市は、軍港として第二次世界大戦中は、帝国海軍の拠点でもあり、呉海軍工廠(造船所)では戦艦大和が造られたことでも知られます。
その戦艦大和の建造を行ったドック、いゃー、とんでもなくデケ~!
現在は、石川島播磨重工呉造船所となっていて、巨大なタンカーなんかが造られています。

とびしま海道-024
海沿いを走ると、このように海上自衛隊の艦船などを間近に見ることができます。

とびしま海道-023
呉基地所属の潜水艦は9隻、前回来た時は5隻もの潜水艦が停泊していたけれど、この日は、たったの1隻しかなかった・・・ ザンネン! 

2日間のサイクリストの聖地巡りも、ここいらで終了!
この後、温泉で汗を流してドレスアップ! 
呉駅から輪行で、広島駅から新幹線にて帰ることに。。。。

しまなみ海道
しまなみ海道・とびしま海道を巡る旅の楽しさは、観光スポットだけでなく、途中でふと目にする風景や偶然出会った人々の中にあるのだと思います。
そして、風を切って走り、その土地の空気を感じながら、絶景や美味しいものを楽しむ・・・、
自転車は旅を何倍も楽しくしてくれる最高の移動手段ですね。

青い海と空、瀬戸内の島々には、これからも守りたいニッポンの姿がありました。
いずれの海道も、これ以上の観光地化は望みません。今のままであり続けて欲しいですね…。

行きあたりばったりの、「しまなみ海道」・「とびしま海道」の旅は、これでひとまず終了です。
またいつか、この聖地に戻ってきます! (^^)v