日本で唯一の砂漠が、東京の伊豆大島にあるのご存知ですか?
「ここに来ないと大島に来たとは認めない」と大島の方が言うほどの名スポット、三原山の裏砂漠!
その裏砂漠と呼ばれている所が、まるで地球とは思えない光景が広がっていて凄いのです。
砂漠と言えば、エジプトやアフリカを思い浮かべるところだけど、ここ伊豆大島の裏砂漠は、日本で唯一、国土地理院の地図上で「砂漠」と表記されている場所なのです。
しかし「砂漠」の定義には当てはまらず、あくまでも名前だけの砂漠だけどね・・・
伊豆大島
荒涼とした黒い地面の砂漠が一面に広がり、ここは本当に日本かと疑うような光景。
そんな裏砂漠に立つと、日本とは思えないというより、地球とは思えない、どこか違う惑星に降り立ったような錯覚に陥ります。 写真では伝わらないけれど、もの凄く景色が広い!
同じ東京都でも都心とはかけ離れた風景です。
リアル東京砂漠 "裏砂漠"、日本狭しと言えどこんな所はなかなか無いよね!
伊豆大島は、一昨年の10月に行って以来。
あの時は、帰ってきてから二日後に台風26号による激甚な被災が元町地区等にもたらされたのです。
つい2日前に走り抜けた御神火スカイラインが崩壊し、美味しい魚介を食べたお寿司屋さんの前に土石流が流れるなど思ってもいない事態となり、いつかまた落ち着いたら再訪したいと思っていたのです。


今回は、裏砂漠を縦走しようかと、こんなルートを走ってみました。
伊豆大島は船でサクッと行けて、南国の離島気分や島内一周という達成感も味わえる上、クルマや信号が少なく、マンホールも段差も少なく舗装もよくて、とても走りやすいのです!
関東近郊在住なら、金曜あるいは土曜の夜に出港して、翌朝に大島に到着。
その日のうちに島を一周して帰路につく・・・と、なかなかお気楽でオススメなスポットですよ。

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島内での時間を有効に使うために、いつものように大型客船で向かいます。
東京・竹芝客船ターミナルを22時に出港して、大島へ翌6時に到着する。
金・土曜日の週末は、横浜・大さん橋に寄港するので、私は毎回こちらから乗船しています。
大さん橋にチョッと早めに着いたので、界隈の夜景ポタリング~♪

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かつての汽車道の高架下も、なかなか風情があっていい感じですね。
今回の伊豆大島は、裏砂漠のオフロードをちょっと長めに走るので、太タイヤを履いたCXでいざ出陣!

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「さるびあ丸」で横浜港・大さん橋ターミナルから23:30に出港です。
3月22日までは「伊豆大島観光復興支援事業」として乗船料が約25%割引に、更に、35%割引になる株主優待券をオークション(100円/枚)でゲットすれば、都合で約50%引きぐらいなるのでかなりお得です。
行きは横浜からの大型客船の特2等、帰りは熱海への高速ジェット船利用で、往復で5500円とチョー格安!

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横浜からの輪行乗船者は、私を含めて2人だったのが、いざ乗船してみると、あるはあるは輪行袋のテンコ盛りで三原山状態!w
春休みのせいか、学生さんたちが多かったですね。
乗組員さんに、ここに置いてくださいと誘導されたけれど、とても置けるようなスペースは無いじゃないの~
船内の他の場所にも置いてあって、全部で20台ぐらいあったかな?

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今回もいつもと同じ様に特2等をリザーブ!
プライベート空間で寝られるし、コスパもなかなかいいと思います。
毛布と枕は備品だけど、布団は無いのでレンタルすることに。
布団がないと背中が痛くてよく寝られない。 レンタル料500円で熟睡できるならばお安いものです。

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程よい揺りカゴにより熟睡した後は、定刻の6時に岡田港に到着!
実際には、1時間前の5時ぐらいに岡田港の沖合いに停泊し、時間調整して入港します。
岡田港に降りてみると、東京から乗船したサイクリストがたくさんいらっしゃり、港の端で組み立て開始です。
私の横でも、クロスバイクでのチャリン娘達が輪行袋を解いていました。

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さるびあ丸は、最終目的地である神津島へと離岸していきます。
後で知ったのですが、ツイッターのフォロワーさんが乗船されていました・・・
元町港出港は16時20分、よーし10時間の滞在を満喫するぞぉ!
今回は時間がたっぷりあるので、裏砂漠を駆け抜けたり、所々で観光ポタしたりしますよ~

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岡田港を後にして、基本的に「大島一周道路」を時計回りで行くことに。
前述の平成25年10月に伊豆大島を襲った台風26号は、大島の中心地である元町地区を中心とした被害がクローズアップされていましたが、ここ泉津地区も甚大の被害を受けました。
林道をえぐった土砂災害が、いまも復旧されずに爪痕が残っています。

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ヤブツバキの原種が自生している伊豆大島。
特に泉津地区の椿トンネルのヤブツバキは、長い年月をかけて大木と化しています。
道路脇に見えている根も、すごい迫力があるよね!

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伊豆大島には約300万本ものヤブツバキが自生する。
ほぼ冬中花が見られる程の花期が長いけれど、流石にもう春、花が散っている木が多いね。

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そんな中でも、大島公園の椿園には、まだ綺麗に花を付けているツバキがありました。
そして、大島公園から三原山に通じる「あじさいレインボーライン」へと入っていきます。
伊豆大島はツバキ、ツツジの季節が終わると、アジサイが美しく咲き始めます。
「あじさいレインボーライン」には、関東最大級の4kmにわたり道路の両側に約3万本のアジサイが咲き誇るのです。 満開のアジサイの時に走りに来るのもいいですね。
 
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「あじさいレインボーライン」へ入るとすぐにある、特別天然記念物の「桜株」へと寄ってみました。
オオシマザクラの最古最大のもの。樹齢は800年以上と言われ、江戸時代には沖を通る船の目印となっていたといわれているのです。主幹は折れて幹の基部だけが残り、その周囲から伸びた枝先が地につき、そこから根を張って大きな株状をなしている。
現状は大木ではなく老木なので、沢山の花を咲かせることはないが、逆にその風景は非常にわびさびのあるようです。

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島東部の一帯には、こんなワナが仕掛けられてるの知ってました?
これはキョンと言う、体長1m以下、体重10kg前後の小型のシカで、大島には元々生息していなく、人為的に移入された動物を捕獲する仕掛けなのです。
木の葉や果実、花などの自然植生や農作物への食外を起こすため、特定外来生物に指定されているのですす。
ワナの中に入っているプランターの植物はアシタバで、キョンが好む草食の一つのようです。
こんなワナが、道端のケモノ道に仕掛けられているのも伊豆大島ならわですね。

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「三原山ドライブウェイ」に入って尾根筋を走っていると、こんな馬達が出迎えてくれる。
かつて大きな収益を誇っていた観光乗馬は、1986年の三原山大噴火を境に、時代の変遷の波にその姿を消しました。
数年前からこの観光遺産を復活させるべく動きが始まりましたが、先の台風26号被災により再開スケジュールに大きな影響を受けることに。でも、また新たな観光ビジネスの動きがあるようです。

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大島温泉ホテルから南に延びる「三原山ドライブウェイ」を少し進んだところに、三原山を一望出来る「新火口展望台」があります。
視界一面に広がる溶岩流の黒い平野の先に三原山が見える。
やや霞んでいるし、逆光なので写りがイマイチですね・・・

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元町方向に目を転じると、台風被災の爪痕が・・・
外輪山中腹が幅約1kmにわたって崩落し、土石流が発生した。
この土石流は、元町神達地区や元町三丁目といった集落を飲み込み、36人が死亡、22人が重軽傷を負い、未だに3人の方が行方不明となっている。

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三原山の絶景ポイント、御神火茶屋より望みます。
世界三大流動性火山の一つ、大島のシンボル三原山は、日本に110ある活火山の中でも鹿児島・桜島、三宅島・雄山と共に、現役バリバリの火山です。
1986年に大噴火が起きましたが、今は穏やかですばらしい景観となっている。
でも、霞んでいると共に雲が厚く覆っていて、大パノラマがチョッと残念!
約30年周期で噴火を繰り返していた伊豆大島も、前の噴火から30年近く経っている。
そろそろ心配な時期に来ているのか?

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そして、来た道を戻り、大島温泉ホテルの駐車場脇からスタートする裏砂漠へ向う入口。
1986年噴火時の新しい溶岩流を経て裏砂漠に向かう「温泉コース」を経て、その後、裏砂漠を横断して島東側へ抜ける「大砂漠コース」へと駆け抜けていきますよ~
この先のエリアは広大な一帯で、それでいてとても迷いやすいので、地形図やGPS、コンパスなどの事前の準備を怠らないようにしましょう。

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玉石交じりの噴石の道をしばらく走り、後ろを振り返ってみると、枯草と点在した緑の低木の中に、一筋の黒い道が続く。この先はシングルトラックもなく、どこが道なのか迷うほどに・・・

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国土地理院の地図に日本で「砂漠」と表記される場所は、ここ伊豆大島だけです。
地形図では「徒歩道」の表記の線があるが、道らしきものが無くて、ほとんど現地とは合致しないのである。

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1986年の噴火時に出来た新しい溶岩流の一帯を抜けていく。
あたりの様相から、とても強い恐怖感に襲われて怖いです・・・

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そんな感じの一帯のパノラマです。

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「ここは地球?」と思ってしまう。黒い砂に背の低い植物・・・、ここは東京都です。
その先は、見渡す限り黒い世界が広がる神秘的なエリア。
地表面を覆っているのは火山灰と黒いスコリアです。
霧が出て来ると遠近感が失われて、東西南北あたり一帯が分からなくなりそうな感じ。

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ここでは、強い風が吹くので植物が定着しません。
火山灰やスコリアが厚く積もっているので、雨が降っても浸透してしまいます。
芽を出した草木があっても火山ガスが枯らしてしまうでしょう。 裏砂漠は火山と風がつくっているのです。

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強風、噴火時の噴出物、火山ガスの影響を受けて植物が定着しないため、海側一帯も砂漠のような景観。
遠くには海が、そして、ほとんど植生のない黒いスコリアに覆われた荒涼とした風景が広がっています。

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「大砂漠コース」を下って行くと、ただ聞こえるのは、「ジャッ~」という自らが走る音と風の音。
ただ見えるのは、一面に広がる黒と彼方に広がる海、見上げれば空。
「何も無い」からこそ、自然の力を強く感じることができる所です・・・

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この裏砂漠に立つと、日本とは思えないというより、地球とは思えない、どこか違う惑星に降り立ったような錯覚に陥る。
地形図に載っているルートも、実際には轍も足跡も何もありません。雨風で打ち消されるのでしょうね。

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ようやく、大島一周道路へと合流しました。 なんかホッとするなぁー
この先の大島一周道路は、本格的なアップダウンや勾配はそれほどないものの、「上っては下る」の繰り返しで走り抜けていく。

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海の見えない道路をずっと南下してきてやっと海が見えてきた所に、海岸を見渡せるスポットへ。
断崖絶壁の海岸風景が広がるいい眺め。海の中には「筆島」という細長い岩礁が立っている。
海中から高さ約30m程あり、後ろの断崖絶壁とあわせてダイナミックな景観が楽しめます。
サーフポイントとしても人気の高いスポットのようです。
ここは200万年程前は火山活動の活発だった場所で、この筆島は火山の火道で固まった溶岩だと考えられています。

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海岸へと降りていくと、白い十字架が建っていて、その隣に「オタイネの碑」がある。
碑を読むと、何やら歴史的背景があるようだが、細かい事は気にしない。
この時期は人影が無いが、夏場は多くの行楽客で賑わうのだろうか?

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そして波浮港へと。
ここは、かつては火山の火口湖でしたが、大津波で海とつながり、その後がけを切り崩し、港口を広げ港となりました。そのためか、湖のように穏やかで静かな美しさをたたえており、詩情豊かに歌われる野口雨情の詩「波浮の港」そのままですね。

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波浮港付近で観光モードに。
少し町をポタポタしてみようと、旧甚の丸邸のあたりを適当に走ると、いい雰囲気の小路が点在している。

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波浮港を後にして、大島一周道路の最大のみどころと言ってもいい地層断面へ。
地層断面とは、言わずもがなですね。 こんなふうに、地層の壁がズーッと続く所です。
大島一周道路の建設工事で山を切り崩した際に発見された地層。木目のようなうねり模様の地層が約600mほど続いている。「バームクーヘン」とも呼ばれていて、確かに色も似ている。
自然と時間の流れが作り上げた巨大な創造美ですね。

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起伏に富み、一見褶曲のような見かけですが、火山体斜面の尾根と谷の繰り返し地形を覆って降り積もった堆積物が、斜面勾配と直角に切られて現れた断面なのです。
低い谷の部分には溶岩が流れ込んでいるのも見られますね。

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この後は、台風被災地を訪れて、献花台でご冥福をお祈りしたりと・・・
島の北端にあたる野田浜までサンセットパームラインを走り、大海原を眺めつつ、海風をカラダいっぱいに感じながら爽快に走ります。
そして、高速ジェット船の出港時間まで、まだまだ時間があるので、元町界隈をポタポタしたり、美味しい魚介を食べたり、町営牧場でソフトクリームを食べたり、露天風呂に浸かって疲れを癒したりと、伊豆大島の醍醐味を満喫だん!

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そして、楽しい時間もあっという間に、いよいよ伊豆大島とお別れ・・・
椿まつりの期間中、毎日曜・祝日には、大型客船が長く汽笛の尾を引いて、島を離れる桟橋ではアンコさんの見送りの紙テープがあるなど、島を離れる旅情を誘うのですが、高速ジェット船だとそうもいきません。
乗船時でのお見送りと、出港時での「さようなら~」の手を振ってくれます。 それでも嬉しいものですね!
アンコ~つぼみは~♪ アンコ~つぼみは♪  ああ 恋の花~♪
 
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さてさてこれで、伊豆大島の旅もおしまい。
今回は、国土地理院の地図において日本で唯一「砂漠」と表記されている場所をディープに探訪してみました。
一面火山噴出物のスコリアで覆われた黒い大地、相変わらずとても壮大で神秘的な場所だね!

日本開催となる来年2016年アジア選手権のロードレースは、ここ伊豆大島で開催されます。
多くの方が生のレースの迫力を観に行くことで、台風被災からの「復興」の一助となれば、また、開催を通じて「自転車の聖地」となることを期待します。
こんなにお気軽に行くことができる伊豆大島! また走りに来ますよ~